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ドアからの水漏れ

不具合内容

ある日、ドアパネルの内側の防錆処理をしようと思って、ドアトリムを外しました。

旧車のドアは電装系のスイッチがありませんので、簡単に取り外す事が出来ます。

外す過程ですでに嫌な予感・・・。

クリップが抜ける感触ではなく、ドアトリムの基材が割れる感触です。

今更後には引けないので、ドアトリムを外して中を確認します。

ドアトリムの基材は、MDFという木質系の板が使われていますが、この板まで水が浸入してきており、腐食していたのです。

ドアパネルの内側、ガラスが入っている部分は、評価上は車外と同じ。つまり水が入ってきて当然の場所です。

ドアから室内に水が入らないように仕切っているのは、サービスホールカバーというビニール一枚です。

今回の不具合は、このビニールを留めている接着材の劣化で、MDFが水を吸ったことによるものです。


ドアトリムの基材は、MDFなのでホームセンターなどで簡単に手に入ります。

リューターで切り抜いて、表皮を貼りなおしてハイ終わり!としたいところですが、ドアトリムを固定するクリップにも問題があります。

当時は、樹脂クリップを作る技術が低かったために、金属クリップ+タコつぼ型の樹脂が使われています。

写真の右側が金属クリップで、これをドアトリム側に着けます。ドアパネル側には、左側のタコつぼ型の樹脂を取り付けて、金属クリップを差し込みます。

このタコつぼは、基本的には使い捨てで、トリムを外すと交換必須ですが、50年前の部品です。

eBayで新品が手に入りますが、結構なお値段です。

今回は、金属クリップはやめて、最近の車で使われている樹脂クリップに変更です。


樹脂クリップ化

樹脂クリップ化にあたって、最初にトライしたのが上のクリップ。

正確な名前は分かりませんが、トヨタ車の内装などによく使われているもので、独泡スポンジのパッキンが付いた物です。

同じようにスポンジが付いていても、独泡のスポンジでないと止水できませんので、ご注意ください。

このクリップは、図の赤線部分のサイズが長すぎて、ドアトリムがパネルから浮き上がったようになってしまいます。

最終的に使ったのは、下のクリップ。

写真の角度が悪くて分かりにくいのですが、クリップの傘の部分が1段少ないタイプです。
ドアトリムの貼り直し作業で、他に必要な物は。
初めてドアトリムの貼り直しをしましたが、うまく作業できました。

貼り直ししてから10年近く経ちますが、室内に水が入ることもなく快適です。

Rrドアはまだ未実施なので、Rrドア貼り直しの時に作業風景をアップしたいと思います。